病気を抱えた方が住み慣れた地域で過ごすためにサポートする訪問診療。

「訪問診療を利用したいけれど、医師に来てもらうぶん、費用が高くなるのでは・・・?」このように思う患者さんやご家族もいらっしゃるでしょう。

今回は、訪問診療にかかる費用についてお伝えします。

訪問診療は「在宅医療サービス」のうちのひとつで、通院が難しい患者さんに対して自宅や施設で診察や治療を行うものです。

医療や治療を提供するため「医療保険」が適用されます。
なお、患者さんやご家族の希望に応じてうかがう「往診」も診療や治療にあたるため、医療保険の適用です。

年齢や健康保険の種類により患者さんの負担割合は異なりますが、医療費の1割~3割の負担で訪問診療が利用できます。

【訪問診療の自己負担額の目安】をまとめました。参考にしてみてください。

 
1割負担 7,000円~8,000円
2割負担 14,000円~16,000円
3割負担 21,000円~24,000円

 

基本的な費用として「在宅時医学総合管理料」と「在宅患者訪問診療料」の2種類があります。
それに加えて、検査や処置を行った場合や在宅酸素や人工呼吸器などの医療機器を使用している場合には加算の費用が追加されます。

また、介護保険制度において要支援・要介護認定を受けている方は、訪問診療の費用のほかに介護保険における「居宅療養管理指導費」があわせてかかります。
(居宅療養管理指導についてはこちらの記事をご参照ください:『居宅療養管理指導』について|ひのでクリニック

ここで、通院にかかる費用と比較してみましょう。
厚生労働省の「医療保険に関する基礎資料(令和3年度)」の結果では、一人当たり通院に
かかる費用は1年間で約20万円でした。
(参考:医療保険に関する基礎資料 ~令和3年度の医療費等の状況~|厚生労働省保険局調査課

これを1ヵ月で考えると・・・

【通院の自己負担額の目安】

1割負担 1700円ほど
2割負担 3400円ほど
3割負担 5100円ほど

通院に比べ訪問診療の費用の方が高額になることがわかります。

ただ、訪問診療には次のメリットがあります。
通院の移動時間がなくなる
通院にかかる交通費がかからなくなる
診察の待ち時間が通院より少なくなる
通院の付き添いが必要ない(付き添いがご家族の場合はご家族の負担が減る)

これらのメリットとかかる費用を考慮しながら検討してみてください。

訪問診療にかかる費用は公費負担医療制度が利用できます。
重度医療や小児慢性特定疾患の受給者証、特定医療費受給者証をお持ちの方は限度額の適用が可能です。

詳しくはこちらの記事もご参照ください。
公費負担医療制度について|ひのでクリニック
『小児慢性特定疾病に関する医療費助成制度』について|ひのでクリニック
指定難病に関する医療費助成制度について|ひのでクリニック

訪問診療の費用について不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせくださいね。

ひのでクリニック