私たちクリニックの理念です。ひのでクリニックは在宅医療を中心とした医療を提供しています。
私が在宅医療に関心をもつようになったきっかけは、呼吸器内科医として勤務していたときの患者さんから、「退院後は在宅医療ができる医療機関に紹介してほしい」と希望されたことからでした。
その患者さんは広島市の中心部に住んでいましたが、自宅周辺での受け入れ候補が2か所しかありませんでした。
受け入れ先の少なさに衝撃を受け、提供先が少ない在宅医療に興味をもちました。今から10年以上前のことです。
それから在宅医療を実践されている診療所に見学に行かせていただきました。
患者さんの自宅を訪問すると、これまで病院で患者さんと接していたときにはわからなかった自宅の様子や困り事が、とてもわかりやすく、生活する上での課題もみえてきました。
生活に密着した医療というのもとても魅力的で、自ら在宅医療に携わりたいと思うようになりました。

在宅医療では様々な病気を抱えた患者さんが対象になりますので、
内科、呼吸器内科の経験だけでは不十分だと考え、緩和ケア科を経験し、症状緩和について集中的に経験を積ませていただき、在宅医療を行っているクリニックで勤務をし、在宅医療を始めました。
実際に在宅医療で勤務をしていると、成人だけでなく、小児で在宅医療が必要としている人もいることに気づきました。
自ら診療所を開設・運営するのであれば、小児患者さんにも在宅医療を提供できるようになりたい、と考えました。
また、身体的な病気だけでなく、認知症やうつ病などの病気にもきちんとした対応ができるようになりたいと考えたため小児在宅医療、精神科・心療内科を提供している医療機関でも勤務させていただきました。
そして、地元である広島市に戻り、2019年ひのでクリニックを広島市南区で開院しました。
当院では年齢に関わらず、在宅医療を必要とする患者さんに24時間365日対応で関わらせていただきます。
訪問させていただく範囲は、広島市をはじめ安芸郡（府中町・海田町・矢野町・坂町）などです。
小児患者さんなど在宅医療の受け手が少ない方の希望も多いため、できる限り広い範囲に訪問させていただいています。
通院困難な状態になった患者さんがご自宅での生活を継続しようとした際には、環境面や身体的、不安などの精神的にも負担があります。
そうした負担を軽減しながら、できる限り自宅で生活をしたいとの思いを叶えるお手伝いをしていきたいと考えています。