はじめての小児在宅医療|ご家族が抱えやすい不安と当院が大切にしていること
小児在宅医療は、ご家族にとって大きな決断です。「自宅で本当にケアできるのだろうか」と、不安を感じる方も少なくありません。
しかし、あらかじめ判断のポイントや支援体制を知っておくことで、その不安は軽減できます。専門医や基幹病院と連携しながら体制を整えることで、ご自宅でも安心して生活を続けることが可能です。
この記事では、ご家族が抱えやすい不安とその具体的な対応について分かりやすく解説します。小児在宅医療を検討されている方の不安が、少しでも和らげば幸いです。
【ご家族が抱えやすい不安①|体調の急な変化】
在宅でも、判断のポイントを知っておくことで落ち着いて対応できます。
自宅で過ごす中で「急に体調が変わったらどうしよう」と不安になる場面は少なくありません。
1.まずは「いつもの様子」と比較する
体温や脈拍数などの数値だけでなく「普段の様子とのちがい」も重要な判断材料になります。次の3つのポイントを意識して、お子さんの全身状態を観察しましょう。
・活気:ぐったりしていないか、声かけやケアに対する反応はどうか
・水分と排尿:水分が摂れているか、おしっこはしっかり出ているか
・呼吸:息苦しそうではないか、顔色や手足の先の色は悪くないか
2.「様子を見る」か「相談する」かの目安を持つ
体調の変化があった場合「様子を見るか・すぐ相談するか」の目安をもつことが重要です。在宅医療を導入している場合「体調を崩したときにはここに連絡する」という相談先が明確になっています。
・様子を見てOK:熱があっても、水分が摂れていて活気があるとき
・早めに相談:水分が摂れない、反応が乏しい、呼吸が荒いとき
これらの目安を知っておくことで、「今どうすべきか」が分かり、不安の軽減につながります。
また「いつもとちがう」というご家族の直観は大切なサインです。迷ったときにすぐ相談できる環境があることが、在宅医療の安心材料です。
【ご家族が抱えやすい不安②| 医療的ケア】
吸引や胃ろうなどの医療的ケアは「自分にできるのだろうか」と責任の重さを感じるのは自然なことです。「うまくできなかったらどうしよう」と不安になるものですが、一人で完璧を目指す必要はありません。
1.ステップを踏んで少しずつ慣れる
最初からすべてのケアをご家族にお任せすることはありません。病院スタッフや訪問看護師と一緒に、ステップを踏んで手技を習得していけるようサポートします。
医療者と一緒に練習を重ねることで、少しずつ「これなら大丈夫」という自信につながるでしょう。
2.ご家族が休むことも大切なケア
ご家族が無理をしすぎないことも重要です。
訪問看護などを活用して、ご家族がほっと一息つける時間を確保することも、お子さんの安定した生活を支えるための大切なケアです。
3.「制限」ではなく「工夫」を考える
医療的ケアがあっても、生活の可能性は広げられます。
「外出はできるの?」
「どうすれば家族で楽しく過ごせる?」
医療的ケアの生活の制限に目を向けるのではなく、「安全に楽しく過ごすための工夫」を医療者と一緒に考えていきましょう。
「いつもと少しちがうな」「こういうときはどうしたらいいのかな」と感じたとき、すぐに相談できる環境があることで、日々の負担も軽減できます。
【ご家族が抱えやすい不安③|日常生活との両立】
医療的ケアが必要であっても、社会と関わり、成長する機会はお子さんにとって大切なことです。保育所等や学校は、お子さんの社会性やコミュニケーションの芽を育む重要な場所です。
1.安心して通園・通学するための環境をチームでつくる
「医療的ケアがある子でも通園・通学できる?」といった不安は、ご家族だけで抱え込む必要はありません。主治医と相談しながら、園や学校と連携し、一つひとつ環境を整えていきます。
園や学校のスタッフも「どのようにサポートすればいいか」と戸惑いや緊張を感じていることがあります。その間に医療者が入り、必要な情報を具体的に共有することで、支援の見通しが立ちやすくなります。
たとえば
・どのような変化に気づくとよいのか
・どのタイミングで連絡が必要か
・緊急時にはどのように対応するか
といったポイントをあらかじめ整理し、関係者で共有しておきます。
日々のケアの方法に加え「いつもと違うときの対応」まで共通認識を持つことで、お子さんにとっても、関わる大人にとっても、無理のない通園や通学の形が見えてくるでしょう。
2.「医療」と「成長・発達」のバランス
医療的ケアに意識が向きやすいなかでも、お友だちとの関わりや日々の活動から得られる経験は、お子さんにとってかけがえのない財産です。
医療はあくまで生活を支えるための土台であり、お子さんが「その子らしい成長」を遂げられるよう、医療と教育で手を取り合い、生活のバランスを一緒に整えていきましょう。
【当院の小児在宅医療で大切にしていること】
当院の小児在宅医療では、医療としての適切さを大切にしながらも、ご家族の気持ちや日々の暮らしのなかで「無理なく続けられること」を重視しています。
在宅での生活は、思い通りにいかない日も少なくありません。だからこそ「できていないこと」だけでなく「できていること」に目を向けながら、そのご家庭に合った形を一緒に整えていきます。
また、専門医や基幹病院と連携しながら診療を行っており、在宅医療だけで抱え込まない体制を整えています。必要なときに適切な医療につながることで、より安心して生活を続けることができると考えているからです。
自宅で過ごす時間を、無理なく、安心して積み重ねていくために。
私たちは、ご家族とともにお子さんの生活そのものを支えていきたいと考えています。
小児在宅医療について気になることがあれば、どんな小さなことでもご相談ください。
ひのでクリニックでは小児在宅医療だけでなく、緩和ケアや症状緩和に力を入れています。当院では症状緩和に強い複数の医師が連携し、あらゆる疾患に伴う苦痛や不安を和らげ、生活しやすい治療を心がけています。
ご本人とご家族の想いを第一に、ご自宅での穏やかな療養、在宅緩和と温かな看取りを全力でサポートいたしますので、いつでもご相談ください。

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