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「Aさん、最近少しふらつきが増えているようで心配なんです」
そんな訪問介護スタッフからのひとことが、患者さまの健康を守る大切なサインになることがあります。

訪問診療では医師が定期的にご自宅へ伺い、診察や処方をおこないます。しかし、医師が毎日ずっと患者さまの暮らしを見守ることはできません。
そこで、患者さま日常のそばにいて支えているのが、訪問介護のスタッフです。食事や入浴、排泄など生活に欠かせない部分を手伝うだけでなく、体調や行動のちょっとした変化にいち早く気づける存在なのです。

訪問介護の大きな役割は、患者さまが安心して自宅で暮らせるように生活を支えることです。

☆ 食事や入浴、排泄、着替えなどの身体介助
☆ 掃除や買い物、洗濯などの生活援助

これらは一見すると「生活のお手伝い」に見えるかもしれません。ですが、実際には医療と密接につながっています。たとえば「食欲が落ちている」「夜眠れていない」「排便が出にくい」などの小さな変化は、病気の悪化や薬の副作用のサインであることも。介護スタッフが気づき、医師や看護師に伝えてくれることで、早期に対応することができます。

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また、患者さまやご家族が、医師や看護師には少し言いづらいことを、介護スタッフには打ち明けやすいことも…。
「夜中にトイレに行くのが大変」「介護がしんどくて疲れている」といった日常の困りごとを聞いたスタッフが、医師や看護師、ケアマネジャーに伝えてくれることで、サービスの追加やお薬の調整につながることもあります。

こうした連携は、患者さまの体調だけでなく、ご家族の負担を軽減することにもつながるのです。

訪問介護は、患者さまと医療者の間をやさしくつなぐ“架け橋”のような役割を果たしています。

〜在宅医療は“日常”の積み重ねから〜

在宅での療養は、特別な医療処置だけではなく、毎日の食事・睡眠・排泄といった日常の積み重ねで成り立っています。だからこそ、訪問介護の存在はとても大きいのです。

当院でも、訪問介護の方々と日々やりとりを重ねながら、一人ひとりに合ったサポートをおこなっています。これからも、患者さまとご家族が安心して暮らせるよう、医療と介護が二人三脚で支えていくことを大切にしています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ひのでクリニック