こんにちは!ひのでクリニックです。

先日、当院のプライマリ・ケアへの取り組みのなかで「医学生・看護学生の実習受け入れ」をしていることをご紹介しました。(詳しくはこちらの記事をご覧ください:当院で実践しているプライマリ・ケア

今回は、学生実習で取り入れている「オリエンテーション」についてもっと詳しく!お伝えします。

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実習初日に実施するオリエンテーション。そのなかで学生さんたちにお伝えしているのは、次のような内容です。

☆実習中の約束
患者様のご自宅にうかがうにあたり、挨拶や基本的なマナーを守ることをお願いしています。緊張している学生さんも多いので、なるべく質問や相談がしやすいような雰囲気作りを心がけています!

☆学校の実習目的と当院の実習で学べること
学校の実習の目的と当院で学べることをお伝えします。
在宅医療の患者様は小さな子どもから高齢者、病気や症状もさまざまです。健康面の課題を抱えながら地域で療養・生活する方々を、どのように支援していくのかを学んでいただきます。

当院では「患者様の地域での暮らしやニーズ」や、小児在宅医療における「医療的ケア児の特徴やケア」「多職種連携」などを実際の現場で学ぶことができます。

☆ひのでクリニックだからこそできる体験
実習期間が短いため「ひのでクリニックだからこそできる体験をしてほしい!」と思っています。具体的には…
・トリアージ:心不全や在宅緩和ケア、呼吸器疾患の終末期、医療的ケア児の状態変化の対応
・選択肢:在宅看取りやACP(アドバンス・ケア・プランニング:人生会議)、緩和ケア病棟との連携
・家族志向のケア:ご家族や生活環境が見えやすく、ご家族も含めたケアが大切
・予防接種:小児から高齢者まで対応、医療的ケア児のきょうだい児の予防接種も可能
・連携の現場:病診連携、退院前カンファレンス、ICTツールによる連携の実際

☆実習の流れ
訪問診療は、訪問に出発する前の荷物の準備や車への積み込みから始まります。その日のスケジュールによってスタッフの動きに変化があることや、患者様の体調不良でスケジュールが変更になることも。臨機応変に対応していることをお伝えしています。

☆実習の内容
出発前のスタッフ間での情報共有に参加してもらったり、診察ではバイタルサインを測定してもらったりしています。処置やケアも見学できるので、実際に見て感じたことを教えてもらえるようにお願いしています!

☆在宅医療とは
在宅医療の概要として、次の点をお伝えしています。

・在宅医療とそのなかの訪問診療・往診について
・在宅医療の対象者
・地域の医療資源と役割
・在宅医療でできること

☆訪問看護ステーションの看護師と診療所の看護師の役割のちがい
地域の看護師=訪問看護師という認識を持っている学生さんが多いのが現状です。ですが、訪問看護師と診療同行看護師の役割、実は違うんです…!(詳しくはこちらの記事を御覧ください【~診療同行看護師の仕事と魅力~ Vol.1】
学生さんには、お互いの役割の違いと双方の連携が大切であることをお伝えしています。

☆診療同行看護師の仕事と役割
診療同行看護師は診察や検査、処置の実施や介助をおこないますが、診察中にも看護を提供する場面がたくさんあります。患者様やご家族の安心につながるようにお声がけしたり、医師とのコミュニケーションをアシストしたり…。診察の内容や今後の方向性を多職種に情報提供し必要なケアやサービスにつなぐことも重要な役割です。

☆プライマリ・ケアとは?プライマリ・ケア看護師として大切にしていること
診療同行看護師として大切なプライマリケア。患者様だけでなくご家族へのケアも重要であること、患者様の「今」だけをみるのではなく、過去と未来も含めてみること…。生活をサポートするために、患者様やご家族にお話をお聞きしながら信頼関係を築き、より良いサポートにつなげることをお伝えしています。

オリエンテーション資料の一部

オリエンテーション資料の一部

 

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実習のオリエンテーションだけでも、盛りだくさんのことを伝えています。
オリエンテーションを受けた後には「大変そう…」と不安そうな表情でも、同行実習から戻ると「楽しかったです!患者さんが地域で生活できるのは、さまざまなサポートがあるからなんですね!」と笑顔で話してくれる学生さんもいました^^

当院では、医学生・看護学生の皆さんに在宅医療の現場について知ってもらうこと、そして楽しく実習に取り組んでもらえるように心がけています。

学生実習について、次回は「Vol.2 診療出発前の準備」をご紹介します!お楽しみに♪

ひのでクリニック