訪問看護で適用される介護保険・医療保険の違いについて
こんにちは算定チームです。 訪問看護には介護保険が適用になる訪問看護と医療保険が適用になる訪問看護があります。 今回は訪問看護で適用される介護保険・医療保険の違いについてお話します。 訪問看護は、看護師等がお住まいに訪問して療養生活を送っている患者さまの看護を行うサービスです。 主治医から訪問看護が必要である旨の指示書を交付された患者さまに利用でき、病気や障害の状況に応じて注射・点滴・創傷処置など医療的ケア、血圧、脈拍、体温などの測定、病状のチェックや、カテーテルやドレーンチューブの管理、褥瘡の処置などのサービスを提供します。 提供した訪問看護サービスは、医療保険と介護保険の両方が同時に適用になることなく、どちらかを自分で選ぶことはできないのです。 ◆医療保険・介護保険の優先順位 要介護認定者は原則介護保険を優先利用する仕組みになっています。 要介護認定者のうち厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合や特別訪問看護指示期間は、医療保険による給付の対象となります。 例えばですが、介護保険認定をうけていて厚生労働大臣が定める疾病等に該当しない場合、まずは介護保険での給付を行い、患者さまの状態などに応じて特別訪問看護指示書が交付された期間は医療保険への給付に切り替わります。 医療保険・介護保険のどちらが適用になる状態かを判断するためには、医療保険の訪問看護の適応になる3つのポイントをおさえておきます。 ◆医療保険の訪問看護が適応になる3つのポイント ①介護保険の認定をうけていない ②要介護認定者のうち厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合(「厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)」) ③要介護認定者のうち、特別訪問看護指示期間 ①は年齢や介護保険の有無ですぐ判断できます。 介護保険は、40歳以上の人が加入します。そして、65歳以上の人は要介護認定を受けた人が、40歳から64歳の人は厚生労働省が定めた特定疾病かかり、要介護認定を受けた人が利用できるようになります。特定疾病は心身の病的加齢現象との医学的関係があると考えられる疾病であって加齢に伴って生ずる心身の変化に起因して要介護の状態になる原因として国が認定している下記16疾病のことです。 16疾病一覧 末期腫瘍 関節リウマチ 筋萎縮性側索硬化症 後縦靱帯骨化症 骨折を伴う骨粗鬆症 初老期における認知症 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病※(パーキンソン病関連疾患) 脊髄小脳変性症 脊柱管狭窄症 早老症 多系統萎縮症 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症 脳血管疾患 閉塞性動脈硬化症 慢性閉塞性肺疾患 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 ②「厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)」は以下の20疾患です。 末期の悪性腫瘍 多発性硬化症 重症筋無力症 スモン 筋萎縮性側索硬化症 脊髄小脳変性症 ハンチントン病 進行性筋ジストロフィー症 パーキンソン病関連疾患 多系統萎縮症 プリオン病 亜急性硬化症全脳炎 ライソゾーム病 副腎白質ジストロフィー 脊髄性筋萎縮症 球脊髄性筋萎縮症 慢性炎症性脱髄性多発神経炎 後天性免疫不全症候群 頸髄損傷 人工呼吸器を使用している状態 ③の特別訪問看護指示期間とは、特別訪問看護指示書を交付されていることを指しています。 特別訪問看護指示書は、主治医が急性増悪等によって頻回な訪問が必要だと判断した場合に1月に1回交付する指示書です。特別訪問看護指示に基づいて行う訪問看護は、指示を出した診療の日から14日間以内に限り実施できます。この14日間は医療保険が適用となり、特別訪問看護指示期間中は、週に4日以上の訪問が可能となります。 (気管カニューレを使用している状態・真皮を超える褥瘡がある状態の場合には、1月に2回まで交付可能です。) 以上、最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
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