先日、当院の看護師がzoomセミナーに参加しました。
今回は「医療的ケア児の摂食嚥下」というテーマで、作業療法士の方が講師として実際の介入時の動画を見ながら、どのように摂食・嚥下訓練をされているのかお話ししてくださいました。
動画の中で、食事が始まるとわかると嬉しそうにされている患者様の様子がとても印象的でした。
摂食・嚥下訓練を行っている小児患者様は身体がよく動くため、適切に嚥下できているのか判断が難しく、慎重に進めなければなりません。
講師の先生が大切にしていることとして、出生から入院期間中に原始反射– 特に探索反射(唇に触れたものを探す動作)と吸啜反射(口に入ってきたものを強く吸う動作)のあるうちに口腔に対しアプローチをしているかを必ず確認しているそうです。
アプローチをしていない場合、食べ物を探したり吸啜(食べ方)の学習ができていないので、再学習が必要です。その場合はおしゃぶりや哺乳瓶の乳首を用い、「噛んだら水分が滲み出る」ことを少しずつ覚えてもらうそうです。嚥下だけではなく、まずは食べ物を口に取り込む部分からアプローチすること、自分から口で食べ物を迎えに行って取り込むことが大切になると話されていました。

生後間もない頃から経管栄養だと「口から食べる」ということに馴染みがなく、口の周囲や口腔内を触れられることを怖がってしまいます。
そこで、作業療法士さんは口腔に触れる時に使用する手袋に興味を持ってもらうところから始めていました。少しずつ慣れてもらい、口や口腔内への過敏を除去していくそうです。実際にその時の動画や写真も見せていただきました。手袋に対し最初は「なんだろう?」と不思議そうにしていたお子様が次第に興味を持ち始め、口に持っていっても嫌がらず受け入れる過程を見ることができました。

最後に、家族支援が大事だと話されていました。
医療者の介入時だけでなく、日頃から患者様の食事に関わっているご家族ができる支援を考え提案していくことが大切です。
当院でも医療的ケアが必要な小児患者様と関わらせていただいています。今後は「食べること」の支援にも関わることができるよう、私自身もっと勉強し、1人でも多くの「食べたい」という思いに応えられるように精進していきたいと思います。
貴重なお話をありがとうございました。
ひのでクリニック