病気やケガで入院や手術が必要になった時、一番心配になるのが「お金のこと」ではないでしょうか？
「医療費が高額になったらどうしよう…」そんな不安がありますよね。
日本には、医療費の負担が重くなりすぎないように守ってくれる、とても心強い仕組みがあります。
それが「高額療養費制度」です。
この制度を簡単に言うと、「月に払う医療費に、あなたの家計に合わせた『上限』が決められていますよ」ということです。

今回は、皆さんがこの制度を安心して使えるよう、わかりやすくお伝えします。

◎高額療養費制度とは？？？
月にたくさん医療費を払っても、所得や年齢によって決まった「上限額」を超えた分は、後で国や健康保険から戻ってくる（払い戻される）制度です。
つまり、どんなに大きな病気で費用がかかっても、ひと月の上限額さえ知っておけば、それ以上はお金が減らない！という安心感が得られます。

※対象にならない費用もあるので注意！
この制度の対象になるのは、健康保険が使える治療（保険診療）の自己負担分だけです。
・個室代（差額ベッド代）
・入院中のご飯代
・保険がきかない特別な治療　など
これらは対象にはなりませんので、ご注意ください。

◎70歳以上の方の計算のポイント
特に高齢者（70歳以上）の皆様は、通院が多いことを考慮して、制度がより優しくできています。

・通院（外来）の「上限」があります。
70歳以上の方は、まず個人単位で「通院（外来）」の自己負担の上限が決められています。これにより、月に何度通院しても、負担が過度に増える心配がありません。

・家族全体の費用をまとめて計算できます。
さらに、この通院費と入院費を合算して、より低い「世帯全体での上限」が適用されます。なので、ご家族全体で考えても安心です。

◎70歳未満の方の計算のルール
70歳未満の方の場合、医療費を計算するときは、次の3つのルールを覚えておくと便利です。
・月ごとで区切る！ 入院が月をまたぐと、1月分、2月分…と月ごとに分けて計算されます。
・薬局の支払いも一緒に。病院でのお支払いと、外の薬局でのお支払いは、合算して計算できます。
・家族の医療費も合算OK（世帯合算）
家族の分の医療費も合算できますが、1回のお支払いが2万1000円以上のものだけが対象になります。細かい通院費は合算できないので、大きな出費だけをまとめて計算します。

☆2つの大切なポイント☆
・マイナ保険証で手続きがラクになります！
以前は、高額な医療費を一度窓口で全額払ってから、何ヶ月も後に払い戻しを待つ必要がありました。
でも今は、マイナ保険証（マイナンバーカードを保険証として使うこと）があれば、手続きがとっても簡単になりました！
事前に「限度額適用認定証」という紙の申請をする必要が、原則なくなります！
当院でもマイナ保険証を使えば、最初からその上限額までのお支払いで済むようになります。

・使った領収書は大切に！
この制度を利用する場合も、後で確認のために医療機関や薬局でもらった領収書は、必ず大切に保管しておいてくださいね。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
当院は、皆様が安心して医療を受けられるクリニックを目指しています。
必要に応じてサポートさせていただきますので、どうぞお気軽にご相談・お問い合わせください。