こんにちは
診療チーム看護師の蔵重です。

Part4は、『学会ジョイントプログラム <日本臨床倫理学会>誰一人取り残さない臨床倫理』に参加しました。
臨床倫理とは、医療・介護の臨床現場で起きる問題を倫理的視点から検討するアプローチです。倫理とは「選択」です。選択肢があるから迷う。
SDM(共同意思決定)では理解、認識、価値観をシェアします。その時に患者様と「一緒に」決めていく、考えていくことが大切です。
このセッションでは事例を元に臨床倫理の4分割表を用いてグループワークを行いました。
以前のブログにも登場した4分割表。
これは、倫理カンファレンスやデスカンファレンスで使用すると情報整理がしやすくなります。

臨床倫理の検討のための4分割表
http://chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.aro.med.kyushu-u.ac.jp/rinri/pdf/iinkai-fukuoka/kentoubunkatuhyo2023.pdf


倫理カンファレンスは患者様ご家族含め多職種で行うと良いとされています。
医学的適応については医師が得意な項目です。
患者の意向、QOLなんかは看護師やリハビリ職、介護職がふとした会話から聞き取っているかもしれません。
周囲の状況についてはやはりケアマネージャーの得意分野ではないでしょうか。家族背景、出生からこれまでの人生、生活背景をよくご存知ですよね!

このセッションではたまたまグループワークのテーブルの全員がまさかの看護師!でした。
医学的な視点を持ちながらも、患者様ご家族の気持ちに寄り添う、医療者の考えを押し付けないといった意見が出ました。
職種による意見の出かたの違いが見えて改めて多職種で関わる重要性を実感できました。
グループワークで話をしていると、現場で皆さん、普段からモヤモヤすることにもうまく対応されているのだろうなと思いました。

先日現場でもカンファレンスを実施しました。
次に状態が悪くなった時に搬送するのか、自宅でこのまま過ごされるかについて、答えを出すことではなく、ご本人の気持ちも『揺れている』ことを、ご本人と関係者皆で共有しました。
そして、ケアマネさんを中心に『本人の希望に沿った生活をサポートする』というチームの姿勢を再確認しました。
臨床倫理の知識のおかげでご本人の思いを皆で受け止めるサポートができたように思います。
今後も臨床倫理を学び、よりよい支援につながるよう努力していきます。


今回の学会参加を通じて、多くの学びとつながりを得ることができました。発表の準備は大変でしたが、その分達成感があり、他の参加者との情報交換も非常に有益でした。学会で得た情報をクリニック内で少しずつ伝達し、当院にも取り入れられそうなものは提案していきたいと考えています。
今後も研修や学会に積極的に参加し、最新の知識と技術をクリニックの医療に活かしていきたいと思います。


日本プライマリ・ケア連合学会

http://www.primarycare-japan.com
ひのでクリニック