在宅緩和ケア 〜ひのでクリニックの場合6〜
こんにちは!
診療チーム看護師です。
在宅緩和ケアシリーズ6回目の今回は、全人的苦痛の緩和について当院がどのようにとりくんでいるかをお届けします。
緩和ケアと聞くと最終末期のイメージを持たれるかもしれませんが、治療中から緩和ケアは始まっています。患者様ご家族が希望に沿った生活を送れるようQOLを維持するためのケアです。
在宅緩和ケア=在宅看取りでもありません。
全人的苦痛の緩和のその先に、「どこでどのように過ごしたいか」療養場所の選択先を提示したり一緒に考えていくことを大切にしています。
全人的苦痛(トータルペイン)とは
緩和ケアで私たちが最も大切にしているのは、「全人的苦痛(トータルペイン)」への対応です。これは、病による身体の痛みだけではなく、心のつらさや、生活の不安、社会的な悩みも含めた、患者様とご家族を取り巻くすべての苦痛に向き合うことを意味します。
私たちは、単に病気の症状を和らげるだけでなく、この全人的な苦痛を軽減し、ご本人とご家族が「大切にしていること」を深く教えていただきながら、共にケアを進めることを重視しています。
当院が実践する全人的苦痛の緩和
当院の医師は皆、病気そのものを診るのではなく、「人」を診るという視点で患者様に関わっています。この「人」を中心とした全人的なケアを実現するために、当院では以下の多職種が医師の診療に同行する体制をとっています。
- 看護師
- 管理栄養士
- 言語聴覚士
- 社会福祉士
- 医療事務
同じ医療従事者であっても職種が違えば視点も少し違います。
医師の診療を理解しながら、患者様ご家族の視点に寄り近い立場で関わらせていただける。
同行スタッフは医師でない立場を強みとして捉え、体調や医療への不安、日々の生活の喜びに寄り添える可能性があると考えています。
この院内多職種チームが院外他事業所多職種と連携し、幅広い苦痛に対応します。
- 身体的苦痛の軽減
- 精神的苦痛へのケア
- 社会的苦痛や不安の軽減のためのケア
- スピリチュアルペインへのケア
先日、ある患者様がコンサートに行かれた感動的なお話をしてくださいました。
以前は「元気になってからでないと外に出てはいけない」と考えておられましたが、コンサートに行ったところ、音楽からエネルギーをもらい、体のつらさが和らいだそうです。
この経験で、目標が「痛みなく逝くこと」から「生きている過程を大切にすること」へと変わり、すぐに次のコンサートの予約をされました。
体の状態が元通りでなくても、援助を受けながら「自分のしたいこと」を実現する。この「新たな自律の形」を受け入れ、喜びと感動を味わえたことが、患者様にとって現在の生活に新たな意味をもたらしました。
これは、「病気」だけでなく「人」を診るという全人的ケアにおいて、私たちが目指す、患者様が自分らしく希望に沿った生活を送るためのサポートの重要性を象徴しています。
緩和ケアはがんの方だけのものではありません。当院では症状緩和に強い複数の医師が連携し、あらゆる疾患に伴う苦痛や不安を和らげ、生活しやすい治療を心がけています。
ご本人とご家族の想いを第一に、ご自宅での穏やかな療養、症状緩和と温かな看取りを全力でサポートいたしますので、いつでもご相談ください。

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