こんにちは、算定チームです。
在宅医療のニーズが高まる中、訪問看護は患者さまが自宅で安心して暮らせるようにサポートするための重要な役割を果たしています。
訪問看護の際には、患者さまの健康状態を把握し、必要な医療処置やケアを提供します。
訪問看護ステーションや訪問リハビリテーションを行うには、医師の指示書が必要です。
その際に使用されるのが「訪問看護指示書」です。医師が訪問看護ステーションに発行する指示書には訪問看護指示書・特別訪問看護指示書・在宅患者訪問点滴注射指示書がありますが、今回は当院で発行している書類の中でもっとも多い訪問看護指示書についてお話しさせていただきます。

◆訪問看護指示料とは?
訪問看護指示料は、在宅での療養を行っている患者さまであって、病気のために通院による療養が困難な患者さまに対する適切な在宅医療を確保するため、
指定訪問看護に関する指示を行うことを評価するものとなっています。
主治医が、診療に基づき訪問看護の必要性を認め、当該患者さまの同意を得て、訪問看護指示書に有効期間(6ケ月以内に限る)を記載して、訪問看護ステーションに対して交付した場合に算定できます。

◆ルール
訪問看護指示書を交付できるのは原則、主治医1人です。複数の診療科の医師や複数の医療機関から訪問看護指示書の交付を受けることはできません。
訪問看護ステーション等に対して、訪問看護指示書を交付した場合に、患者さま1人につき月1回に限り算定します。
2カ所の訪問看護ステーションが関わる場合は、2カ所それぞれのステーションが主治医1人から訪問看護指示書を交付しますが、
訪問看護指示料の算定は1月に1回を限度として算定します。

◆訪問看護指示書の書き方
指示期間と指示日、基本情報、主たる傷病名、現在の状態および状況(病状・薬剤・ADLの状況・褥瘡・医療機器)、
留意事項および指示事項、緊急時・不在時の連絡先・医療機関名および依頼先を記載します。
加えて、2022度の改定で理学療法士等によるリハビリの時間と実施頻度等を記載することが求められています。


◆衛生材料等提供加算
訪問看護指示書を交付した患者さまに必要かつ十分な量の衛生材料及び保険医療材料を支給した場合に加算できます。
衛生材料及び保険医療材料とは、衛生材料は、ガーゼやテープなど、保険医療材料は点滴用ルートなどが該当しますが、看護師自らが使用するためのものについては該当しません。
なお、点数として算定できる特定保険医療材料は含まれません。
ただし、在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料、在宅がん医療総合診療料、在宅患者訪問点滴注射管理指導料、在宅療養指導管理料を算定した場合は、算定できません。

◆手順書加算
主治医が特定行為に係る管理の必要を認め、訪問看護ステーション等の看護師に対して手順書を交付した場合は、
手順書加算として、患者さま1人につき6月に1回に限り、加算できます。
特定行為のうち訪問看護において専門の管理を必要とするものとは、以下のことを指しています。
・気管カニューレの交換
・胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換
・膀胱ろうカテーテルの交換
・褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
・創傷に対する陰圧閉鎖療法
・持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
・ 脱水症状に対する輸液による補正


以上、最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
ひのでクリニック