訪問診療をもっと知りたい ~24時間持続点滴をしていても自宅で生活できる?~
病気の影響で24時間持続点滴(以下、持続点滴と記載)が必要な方のなかには「自宅で持続点滴を受けながら生活することはできるの?」と不安に感じている方はいませんか?
訪問診療では、専用の医療機器を使用した持続点滴の管理や薬剤の調整を行い、持続点滴が必要な患者さんの在宅療養をサポートすることが可能です。
たとえば「消化管の障害で口から食事をとることが難しく中心静脈栄養を使用している方」や「慢性心不全で持続的に薬剤投与を受けている方」などが、自宅で訪問診療のサポートを受けながら生活されています。
今回は、持続点滴が必要な患者さんが自宅で生活するために、訪問診療がどのようなサポートを提供しているのかをご紹介します。
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~
【訪問診療におけるサポートの具体例】
持続点滴を行っている患者さんに対して、訪問診療が行っているサポートを具体的にお伝えします。
以下はサポートの一例です。
☆医療機器の管理:点滴ポンプの管理や点滴ラインの交換、トラブルへの対応
☆薬剤の調整:症状や体調に合わせた薬剤の調整
☆感染予防:点滴刺入部(針が入っている部分)の感染対策、清潔ケア
☆生活サポート:日常生活動作に影響のない点滴ラインの固定、点滴の扱いに関するご家族への指導
☆多職種連携:訪問看護や薬剤師との連携
【自宅で持続点滴を行う際に気をつけたいポイント】
☆感染予防
点滴の針が入っている部分から菌が体内に侵入しやすくなるため、感染兆候に注意が必要です。訪問診療では定期的な針の差し替えや点滴ラインの交換を行い、感染予防に努めています。もし患者さんが痛みを訴えていたり針を指しているところが赤くなったりしていたら早めに教えてください。
☆点滴ポンプの扱い
在宅医療では、携帯用の点滴ポンプを使用して持続点滴を行うことがあります。
診察時にはポンプの作動確認や速度の調整を行い、適切に点滴が行えているかどうか確認しています。
アラームが鳴ったりトラブルが起きたときは、訪問診療や訪問看護へ連絡しましょう。
☆日常生活動作の介助
持続点滴を行っている患者さんの心配ごとのひとつに「点滴のルートが抜けてしまわないか」ということがあるのではないでしょうか。
患者さんの日常生活において、点滴ルートが抜けやすいのは次のような場面が考えられます。
・ベッドから車椅子に移るとき
・トイレの便座に座るとき
・体位を変えるとき
患者さんを介助するご家族にも気をつけてもらうことも大切です。
移動や介助する際に「点滴ルートを引っ張っていないか」「点滴ルートが曲がって点滴の流れが止まっていないか」など点滴ルートや流れを見ながら動くことがポイントです。
☆点滴が抜けてしまったときの対応
点滴の針が抜けてしまったり、点滴のラインが外れてしまったら、訪問診療や訪問看護にすぐ連絡して相談しましょう。
トラブルが起きたときにすぐ医師や看護師に連絡できるように、連絡先を確認しやすい位置に掲示しておくと良いですね。
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~
自宅での持続点滴は医療機器や点滴薬剤などに関するトラブルが起こるリスクも考慮し、積極的に行うものではなく、患者さんの病状や体調に応じて実施されます。
当院では、持続点滴が必要な場合でも患者さんやご家族が自宅で安心して生活できるよう、細やかなサポートを心がけています。
ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。