こんにちは、算定チームです。本日は同一建物居住者についてお話しします。

訪問診察へ伺う中で、同一日に同一建物に2人以上患者様がいらっしゃる場合、「同一建物居住者」に該当し、訪問診療料が変わっていきます。
同一建物とはマンションや老人ホームなどの施設を指します。
訪問診療料は「同一建物居住者」か「同一建物居住者以外」かを判断していけばいいのですが、いろんなパターンをケースごとに紹介していきます。

◆ケース①◆
有料老人ホーム入居者の、同室夫婦AさんBさんの診察を同一日行った場合は?
→この場合は同一世帯と考えられ、1人は「同一建物居住者以外」の点数で算定し、2人目は「同一患家」となり訪問診療料ではなく「初診料・再診料」の点数を算定します。
(同一患家について、2022年6月24日のブログに掲載されていますので、よろしければご覧ください)

◆ケース②◆
有料老人ホーム入居者の、同室夫婦AさんBさん、Cさんの診察を同一日に行った場合は?
→全員「同一建物居住者」の点数で算定します。同室のAさんBさんは「同一患家」の規定にかかわらず同一建物居住者を算定します。

◆ケース③◆
有料老人ホーム入居者の、AさんBさんCさんの内、Bさん1人のみ診察を行った場合は?
→この場合は「同一建物居住者以外」の点数で算定します。

◆ケース④◆
有料老人ホーム入居者の、AさんBさんの内、同一日に午前中にAさん、午後からBさんを診察した場合は?
→この場合は「同一建物居住者」の点数で算定します。2回に分けての訪問であっても同一建物居住者の点数になります。

◆ケース⑤◆
有料老人ホーム入居者の、AさんBさんの内、同一日にAさんの診察を行った後、Bさんの求めに応じて往診を行った場合は?
→「同一建物居住者」としてカウントしないケースの中に往診を実施した患者様があります。この場合、Aさんは「同一建物居住者以外」の点数を算定し、Bさんは「往診料」を算定します。訪問診療と往診の順番が逆の場合でも同じです。

◆ケース⑥◆
有料老人ホームの入居者の、Aさん(末期の悪性腫瘍患者様で訪問診療開始60日以内)Bさんへ同一日に診察を行った場合は?
→「同一建物居住者」としてカウントしないケースの中に末期の悪性腫瘍患者様で訪問診療開始60日以内があります。この場合、AさんもBさんも「同一建物居住者以外」の点数で算定します。
※Aさん(末期の悪性腫瘍患者様で訪問診療開始60日以内)の他にBさんCさんの診察を行った場合は、Aさんは「同一建物居住者以外」の点数で算定しますが、BさんCさんは「同一建物居住者」の点数に変わってきます。


ケースでは有料老人ホームの施設を例としましたが「同一建物居住者」の考え方として、どういった形状の建物が「同一建物」となるかも重要になります。
例えば、同一敷地内で棟が異なるマンションはそれぞれを別の建物として扱っていいとなっています。
◆「同一建物」として扱われる施設◆
・マンションなどの集合住宅
・サービス付き高齢者住宅
・経費老人ホーム
・養護老人ホーム
・有料老人ホーム
・認知症対応型グループホーム
・特別養護老人ホーム(末期の悪性腫瘍の患者・死亡日から遡って30日以内の患者に限る)


以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
ひのでクリニック