「在宅人工呼吸指導管理料」について
こんにちは、算定チームです!
今回は、「在宅人工呼吸指導管理料」についてお話します。
在宅人工呼吸療法とは?
COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの症状が進むと、呼吸する力が弱くなり、酸素不足になるだけではなく、二酸化炭素も十分に吐ききれなくなり、体にたまってしまいます。
そこで、機器を使って呼吸の補助を行い、過剰にたまった二酸化炭素を排出し酸素の取込を促します。
多くの場合、在宅人工呼吸療法は、在宅酸素療法と併用します。
(在宅人工呼吸療法:Home Mechanical Ventilation = HMV)
●算定要件
在宅で人工呼吸療法を行っている入院中以外の患者に指導管理を行った場合、在宅人工呼吸指導管理料(2800点)を月1回算定できます。
対象者は、長期にわたり持続的に人工呼吸に依存せざるを得ず、病状が安定し、在宅での人工呼吸療法が適当と医師が認めた者です。
睡眠時無呼吸症候群の患者(ASVの使用者を含む)や、チェーンストークス呼吸を呈してASVを使用する心不全患者は対象外。
●加算
(1)人工呼吸器加算
①陽圧式人工呼吸器:7480点
→気管切開口を介した陽圧式。TPPV。
TPPVは手術によって喉に気管まで穴を開け、そこに挿入した気管カニューレという管に人工呼吸器を接続して呼吸を助ける方法。
筋肉や脳・神経の病気によって自発的な呼吸が微弱、または困難な場合が対象となります。
(TPPV:Tracheostomized Positive Pressure Ventilation)
②人工呼吸器:6480点
→鼻マスクもしくは顔マスクを介した人工呼吸器。NPPV。
NPPVは気管挿管をせず、口や鼻に装着したマスクを通じて肺に圧力をかけ、呼吸を助ける方法。
COPD、肺結核後遺症、間質性肺炎などの呼吸器疾患や神経・筋肉の病気が対象となります。
(NPPV:Noninvasive Positive Pressure Ventilation)
③陰圧式人工呼吸器:7480点
→頸部から上を除いた体全体(胸腹部)を陰圧にすることで受動的に空気を取り込み、換気を補助する換気方法。
(2)排痰補助装置加算:1829点
→排痰補助装置を使用した場合に算定できます。
自力での排痰が困難と医師が認める、筋ジストロフィー、筋委縮性側索硬化症、脳性麻痺、脊髄損傷などの患者さんが算定対象となります。
排痰補助装置とは、咳嗽力が低下した患者の気道に陽圧を加え、その後迅速に陰圧に切り替えることによって痰の除去を補助する装置です。
(3)横隔神経電気刺激装置加算:600点
→在宅人工呼吸を行っている脊髄損傷又は中枢性低換気症候群の患者に対して、呼吸補助を行うことを目的として、横隔神経電気刺激装置を使用した場合に算定できます。
横隔神経電気刺激装置とは、横隔膜上の横隔神経周囲に電気刺激を送ることで横隔膜を収縮させ、呼吸補助を行う装置です。
(4)乳幼児呼吸管理材料加算:1500点
→6歳未満の乳幼児に対する在宅呼吸管理を行い、専用の経皮的動脈血酸素飽和度測定器その他附属品を貸与又は支給した場合に算定できます。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。